情報の海

今から10年ほど前
突然の脱毛。そのときは精神的に辛いことがあったかもしれない
そうでなかったかもしれない。ただの偶然?
抜けた原因は定かではありませんが、その後生えたり抜けたりの繰り返し
で今に至っているわけですがこれも運命と言わざるおえません。
10年前
その頃はインターネットが普及し始めたころで今ほど情報がありませんでした。
だからかつら屋さんといったら大手メーカーしか知りませんでした。
そんな中私の友達がインターネットで探してくれたのがラパンドアールのウィッグでした。これを初めて手にした私はどんなに嬉しかったことか。今でも思い出します。
私のウィッグ生活はそんなところからスタートしました。
その過程でかつら業界に疑問を持ち、もっと良い方法があるのではないかと今に至っています。
私が中学生の時、癌でこの世を去った母にもこうするように導かれたのかもしれません。
あれから10年が経ちその頃には想像もできないほどネットが普及し、かつらの会社は増え、沢山の選択肢が増えました。
安いかつらも増え、このことは消費者にとってとても良いことだと思います。
ただ情報が増え、選択肢が増えたことによってどれを選んだらよいか
また別の悩みが増えたように思います。
かつらは(特に人毛製品)不動産と似ていて、同じものは2つとしてありません。原料もそのとき手に入ったもの、職人もそのときによって違うといった不確かな要素が多いです。
工場のチェック体制が大事ですが、最終的な判断は使ってみないとわかりません。この時点で大量生産は難しいのかな・・・
どんなにウィッグ屋さんをまわっても説明を聞いてもその時点でウィッグの良し悪しを判断するのはとても困難なことだと思います。
既製品ですら使ってみないとわからないのですからオーダー品は特にリスクが高いので本当に難しいと思います。
この仕事を始めていつもこのことが頭から離れません。
いかに満足のいくものを安定して供給するかが大事だからです。
中国をはじめ海外にウィッグメーカーが沢山ありますが、日本向けの良い製品を作れる工場は本当に少なく、ウィッグの価格はそのようなコストにも関わってくると思います。
日本では良くてあたりまえのことがこと海外では通用しません。
そこがギャップを生む原因なのかもしれません。
海外の工場との信頼関係が重要ですが、コストが見合うならせめていつか日本で原料を調達できたらなあと切に思う今日この頃です。