『見た目問題』という言葉をごぞんじですか?
生まれつき、病気、怪我などが原因の”見た目”で周囲の人の心ない言葉によって生きづらさを感じている人たちが抱えている問題のことをいいます。
”見た目の悩み”というタイトルで円形脱毛症の方が先日、15日NHKのEテレ『バリバラ』という番組に出演されました。
番組では円形脱毛症の他にアルビノや顔面動静脈奇形、単純性血管腫といった方々が出演されていまして、「見た目」によっていじめや差別、偏見など、日常生活の様々なシーンで困難なに遭われたことがあるという。
程度に差はあれ、見た目が皆と違うことで人目を気にしたり、隠しながら生活をしていかなければならない「生きずらさ」は大なり小なり同じようにあり、どちらがどうという問題ではありません。悩みや辛さは当事者にしかわからないのです。
機能障害がない、治療の緊急性がない、生命の危機がないなどの場合、ほとんど障害と認定されず、公的支援を受けられません。だからといって皆が障碍者認定を受け、公的支援を受けたいわけではない。
こと「円形脱毛症」に限っていいますと、病名さえついていますが、「病気」と思われたくない人もいっぱいいるはずです。そもそも「病気」ということを隠している人も少なくありません。
ではどうして欲しいのか。それは支援が必要でも病人として扱われたいのでもなく、社会にこのような病気を知って正しい認識を持っていただき、偏見や誤解をなくしてもらいたいということだと思います。
円形脱毛症は髪の問題以外は元気に日常生活ができるため、ウィッグをかぶってしまうと一見普通の人となんら変わりがないばかりか、髪を気にするあまり人によっては「異常に見た目を気にする傲慢な人」という風にとられることもあったり、逆に卑屈になってしまって性格が悪い、神経質と誤解されることも。。
それでも皆と同じように生活するためにウィッグは必要なアイテムであって、本当の自分を隠しているという後ろめたさを常に感じている辛さを少しでもわかってもらえたら。という気持ちが心のどこかにあります。
番組の中でウィッグを取ってご自身の身内にカミングアウトするシーンがありました。その中で彼女が「今まで頑張ってきたんだな、頑張らなければいけない病気なんだ」という言葉がとても印象的でした。
周囲の人には自分が脱毛症でウィッグをかぶって生活していると告白をしていても、本当にウィッグを取った姿を見せるのはとてもハードルが高いことです。大切な人や近い間柄だから見せられないということも。
その気持ちが痛いほどわかって思わず涙が。。。
カミングアウトした後で、ありのままの自分を受け入れてくれたなら、しょってきた大きな荷物が少しでも軽くなるような気持ちになれるのかもしれません。
私はつい最近、うっかりと自分の意志に反して半ば事故的に今まで見せたことの無かった人に素の自分を見せてしまいまして、
そのときはもうパニック状態で何が何だかわからなくなり酷く落ち込みました。
でもその後に温かい言葉でありのままの自分を受け入れてくれたことで安心感とか、一種の親近感のようなものを感じ、自分自身も素の自分を受け入れられたような気がしました。
バリバラの再放送ももう終わってしまって、録画を観られればいいのですが、見逃してしまったかたは、せめてこのブログを当事者本人だけでなく、周囲の方々に読んでいただき、少しでもこの病気を理解していただけたらと願っています。