ヘアドネーションの髪で作られるウィッグ

最近『ヘアドネーション』という言葉が普及し、ご提供いただいた髪でウィッグを作ることも多くなってきました。

そもそもヨーロッパでは自国で入手した毛髪を生産国に送ってウィッグを作ることが一般的です。

日本では毛髪を売買する文化が無いので、ほぼ原料から(毛髪)から輸入に頼っています。

そうした中、『ヘアドネーション』によって、日本でも毛髪を送って作ることが徐々に増えてきました。

『ヘアドネーション』ではウィッグが必要になったお子様に使って欲しいということで寄付を募っているわけですが、今回は身近にいる大切な人へ自分の髪を提供するといった贈り先が分かっていてお作りするウィッグのご紹介をさせていただきます。

これらのウィッグは娘さんからお母さまへと贈られた髪で作ったウィッグです。

ヘアピース
フルウィッグ
余った毛髪。この髪で作られたことは並べてみると一目瞭然です。

少し前にある方から『メモリアルウィッグって本当にその人の髪で作ってるの?なんでその人の髪だって断言できるの?一人分の髪ではウィッグ1体作れないでしょ?』という質問をいただきました。

ご提供いただく方の髪の量や短い髪の混入が多い少ないでもかなり変わってきますが、長くてしっかりとした毛量があればヘアピースであれば一人分で十分足りることがあります。

下の写真は双子のお嬢さまから提供された髪で、フルウィッグ1体作ってもまだ余ったので、残った髪は戻ってきました。

提供の髪が少なくて、大部分の髪を工場の髪で賄った場合はその人の髪の特徴があまりでませんが、十分な量の髪であれば見た目にもその人の髪を使っていることが分かると思います。

美容室で切った髪を工場に送って、長さを選別し然るべき処理をすることはとても大変な作業です。

沢山の工程を経て一つのウィッグに仕上がるのです。

そして、綺麗な髪で作られたウィッグはやはり綺麗で長持ちします。

綺麗な髪を提供していただいた方、そしてその髪を1本1本丁寧に、大事に製品に仕上げる工場の方々。想いのいっぱい詰まった唯一無二のウィッグになります。

大量生産、大量消費、安さばかりを求める時代に、このような取り組みはかけがえのない大切なものではないでしょうか。