脱毛症について想うこと。。インタビューをきっかけに

今日人工皮膚まつげ『レスま』の開発者である株式会社TYRANNの辻下さんからご依頼がありまして、脱毛症やウィッグの色々なお話を インタビュー形式で行いました。
『レスま』はまつ毛のない人でもつけられるので脱毛症患者さん向きの商品であります。
脱毛症になって困ったというお声を聴いて脱毛症患者さんの為の情報サイトを作られるそうです。

ベリーに来られる脱毛症患者さんと向き合い続けて14年、沢山の脱毛症に関する悩みをお伺いしてきました。
脱毛症は未だ完治するこれといった治療法が無い難治性の病気です。
病院に行って積極的に治療を続けていても結果が出ず、それがストレスになってしまうという方は沢山いらっしゃいます。
大抵の人は途中行かなくなってしまい、病院側でも治った人と治っていない人の統計が取れていないのが実情のようです。
しかし発症のメカニズムは少しずつ分かってきています。
ある特定のタンパク質が毛根に集まって過剰に攻撃する免疫の暴走によるものとか。
人によって発症の仕方や範囲、脱毛期間、原因も様々で、原因すらわからないことが殆どですが、 ストレスが何らかの引き金になって、その後治ってしまう人、繰り返す人、全く生えてこなくなってしまう人 とどこがどう違うのか。
私の見てきた経験によりますと、脱毛個所が大きくなればなるほど難治性が高く、アレルギー体質の人は治りずらいような気がしています。
小さな脱毛症で止まった人はたとえ繰り返しても直ぐに生えてくる人が多いですね。
また急性の人。短期間にわっと全体が抜けてしまう人は原因がはっきりしている場合も多く、直ぐに生えてくる人が多いです。
いづれにしても治っている人は積極的に治療された結果というより、自己治癒力で生えている場合が多いと感じています。
今の時点では西洋医学より東洋医学でしょうか。
自分の本来持っている力やホルモンバランス、ちょっとしたきっかけで生えてくることがあるというのが私の考えです。
ネットでは様々な情報が溢れていて、何が本当なのか、どうしたらよいのか迷うことも多いでしょう。
多くの情報に振り回されることなく、治るときは治るとゆったりとした気持ちでいる方が楽になれるかと思います。

脱毛症になって一番困ることはなんですか。
という問いに様々なことが浮かびます。
泊りがけの旅行だったり、プールだったり、温泉だったり、運動だったり、風が強かったらどうしようとか、ジェットコースターに乗れないとか、突然事故に巻き込まれたらどうしようとか、被災したらどうしようとかetc…
大概のことはちょっとした工夫やウィッグがあれば何とかなります。

でもやっぱり髪のある人がしなくてよい苦労、我慢しなくていい我慢、悩まなくてもいい悩みをずっとずっと抱えながら生きていくということ。
何も悪いことをしていないのに、人に隠しているということの罪悪感。
髪のない自分を受け入れ、表面上は何とかなると気丈に過ごしていても
その喪失感や辛さは実際に自分がなってみないとわからないことかもしれません。
それでもいつか自分に折り合いをつけ受け入れるときがきます。

人は辛い思いをした分人に優しくなれるといいます。
私はまだまだですが、いつか人の痛みをわかる人間になれるのだろうか。
周りの人にお願いしたいのは外見で差別をしないでほしい。
一人一人の違いを普通に受け止める社会になってほしいですね。